兵庫県高砂市 介護老人保健施設ハーモニー園は、各専門スタッフが総合的な介護サービスをご提供いたします。

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ハーモニーだより


デイケア通信


厨房だより


誤嚥性肺炎について

令和6年、能登半島地震で多くの人が避難生活を強いられています。その中で新型コロナなどの感染症に加え、高齢者の誤嚥性肺炎が懸念されています。実際、阪神淡路大震災では、震災で生き延びたにも関わらずその後の避難生活で体調を崩してなくなる高齢者が多くいました。4人に1人は肺炎が原因、中でも誤嚥性肺炎が多くを占めていました。
ではこの「誤嚥性肺炎」とは何でしょうか?  誤嚥性肺炎とは、誤嚥によって生じる肺炎のことを指します。 喉の奥は、空気を肺に送る“気管”と飲食物などを胃に送る”食道“の2つの道に分かれていて、食べ物や水、唾液を飲み込むと脳が指令を出して気管の入り口を塞ぎ、食道に流れて胃に送られるようになっています。しかし、加齢などで飲み込む機能が弱くなったり病気によって嚥下反射が障害されると、飲食物や唾液、胃液などが気管に入ってしまうことがあります。これを誤嚥といい、誤嚥したものと一緒に細菌が肺に入って炎症が起こったものが誤嚥性肺炎です。特に高齢者に多く、高齢の肺炎患者さんのうち7割が誤嚥性肺炎とされています。肺炎は日本人の病気による死者数の上位を占める病気で死亡率が高いことから、誤嚥性肺炎を起こさないよう、また悪化を防ぐために早めの対策が必要です。

誤嚥性肺炎の原因は?
①嚥下障害(飲み込む機能の低下) ②咳反射の働きの低下(誤嚥が起こると反射的に咳をして気管に入ったものを口に戻す働きの低下) ③口の中が清潔に保たれていない ④体力や免疫力の低下
などがあげられます。

誤嚥性肺炎の症状は?
一般に肺炎を発症すると38度以上の発熱や強い咳などが起こりますが、誤嚥性肺炎ではそういった症状が現れにくく 「ハアハアと呼吸が浅く速い」 「元気がない、体がだるい」 「食欲がない」 といった症状が多くみられます。

誤嚥性肺炎を予防するために

①体力をつける
深い呼吸を意識しましょう。バランスの良い食事で栄養をしっかり補給しましょう。脱水症予防のためこまめな水分補給を行いましょう。

②感染のリスクを減らす
口の中にいる細菌数は、唾液1ml中1億個ともいわれています。日常の歯磨きをこまめに行い、口の中を清潔に保ちましょう。

③誤嚥のリスクを減らす
・食べるときは姿勢を正し、飲み込むときは背筋を伸ばしてあごを引き気味にしてください。
・よく噛んで 少しずつ ゆっくり 食べましょう。
・食事形態やとろみをつける等の工夫をしてみましょう
・食事に集中しましょう。会話やテレビを見ながら等の食事をしないようにしましょう。
・食べたものの逆流を防ぐため、食後1時間半程は横にならず座り姿勢を維持しましょう。
・飲み込む力を鍛える体操を行いましょう。

のどの体操、首のストレッチや呼吸練習、マッサージ、発声練習など。 嚥下と発声の筋肉はつながっているので「よく話す、歌う、朗読する」ことは飲み込む力を鍛えるのに有効です。


被災地は衛生面の整いにくい環境、集団生活のストレス、寒さなど、誤嚥性肺炎を起こしやすい環境にあります。早くから医療従事者やボランティアの方が口腔ケアや水分補給などを意識して高齢者のケアにあたられています。少しでも早く生活環境が改善することを願うばかりです。 「口から食べる」ことは脳全体を活性化させ、運動機能や感覚を高めます。内臓を活性化させ、腸の働きを活発にし免疫力を高めます。 生活環境が整っていることに感謝しつつ、誤嚥を防いで寿命を10年延ばしましょう‼
興味のある方はリハビリスタッフまでお問い合わせ下さい。